皆さん、はじめまして!次世代死生観研究所(仮)研究員のおおはしと申します。

今回は、「グリーフケア」についていろいろ調べてきましたので、こちらの記事で解説していきたいと思います。

 

そもそもグリーフって、何?

グリーフケアという言葉自体、あまり普段聞くことの無い言葉だと思います。

グリーフ、というのは、「悲嘆」という意味があります。
つまり、大切な人や物を失うことで生じる強い悲しみや喪失感、複雑な心境などを総称してグリーフ、と言うことができるということです。

グリーフケアというと、その名の通り「グリーフ(悲嘆)」を「ケア」するということになります。
例えば、大切な人や職を失った悲しみに暮れている方に、その悲しみを乗り越え、その後自立して生活していけるようにサポートをしていく、などがグリーフケアに当たります。

 

グリーフケアが活用されている場

では、実際にグリーフケアが行われているのはどのような場所なのでしょうか?
実はグリーフケアが行われる場は身近にも多くあります。

例えば病院やカウンセリングルーム、サポートセンターなど、医療・介護、福祉関係の現場でも幅広く行われているようです。

最近は電話やビデオ通話など、家にいながら相談に乗ってもらえるサービスも増えてきています。
また、グリーフケア専門の病院もあるため、もしもお別れによって立ち直れない悲しみを抱えている場合は、選択肢の一つに入れてみてもいいかもしれないですね。

 

グリーフケアの種類

グリーフケアは、大まかに分けて4種類あります。
それは「情緒的サポート」「道具的サポート」「情報的サポート」「治療的介入」です。

 

情緒的サポート

「情緒的サポート」とは、グリーフを抱えている人に寄り添い、話を聞いてあげることで
悲しみや辛さを緩和していく方法です。

基本的には、話を聞いているだけでサポートになります。
話の中で矛盾やつじつまが合わないことがあっても、「さっき言ってたことと違うけど?」などと聞いてはNGです。

その人が話したいこと、聞いてもらいたいことをそのまま受け止めて、共感してあげることがグリーフケアにおいて大切な第一歩です。

 

道具的サポート

例えば、大切な人が亡くなった時。やらなくてはならない手続きなどがたくさんありますよね。
お葬式の手配や役所での手続きなど、日常生活の問題に対して直接的・具体的なサポートをするのが「道具的サポート」です。

また、代わりに買い物に行ったり、掃除をしてあげるなど、身の回りのお手伝いをすることも道具的サポートに当てはまります。

 

情報的サポート

悲観は自然な心理的反応である、といった悲嘆や悲哀のプロセスについて情報を提供したり、対処方法を共有することもグリーフケアの一つです。

他にも、市や区が行っているサービスや、相談窓口の連絡先などの情報を提供することもサポートになります。

 

治療的介入

上記3つのサポートをしても改善が見込めない場合や、うつ病や精神疾患が認められる場合には、専門的な治療が必要になることがあります。
その際に行われるのが「治療的介入」です。

こちらは上記で述べた3つのサポートと違い、精神科医による専門的な治療や、必要に応じて投薬などで治療していくものです。
そのため、この「治療的介入」においては、誰でもできる、という物ではないのでご注意ください。

 

グリーフケアをするのに、資格は必要?

誰でもグリーフケアをすることはできるかと聞かれたら、答えは「できる」です。
2025年現在、グリーフケアをするために必要な国家資格はありません。
【グリーフケア 資格】などで検索すると、「グリーフケア士」「グリーフケアアドバイザー」などがヒットするのですが、これらは民間の資格です。

そのため、資格を持っていなくても、身近にグリーフケアが必要な方がいるのであれば、
お話を聞き、心の負担を和らげてあげることはできます。
ただし、グリーフケアをするにあたって、してはいけないこともあるので注意が必要です。

 

グリーフケアをする際の注意点

「励まそうと思って…」「元気づけたくて…」そう思ってかけた言葉でも、不安定な心境にある方には逆効果の場合もあります。
怒らせてしまったり、場合によっては余計に傷つけてしまったりするかもしれません。
そうなる前に、グリーフケアをする際の注意点も学んでおきましょう。

 

慎重に使うべき言葉

励ましの言葉

「頑張って」などの励ましの言葉は避けた方が良いでしょう。
頑張れと言われると、「もう頑張っているのに、これ以上頑張れというの?」という気持ちになり、余計に悲しくなったり怒りが湧いて来たりしてしまいます。
他にも、「早く元気になって」「あとちょっとの辛抱」なども気を付けた方がよさそうです。

 

同意

「その気持ちは良くわかります」「時間がたてば忘れます」といった気休め程度の同意は逆効果になることがあります。
気持ちはわかります、と言われたって「当事者じゃないのにわかるわけない」と思われてしまう可能性があるためです。

 

前進を促す言葉、比較する言葉

「もう忘れよう」「まだ若いんだから」などの前進を促す言葉や、「他にも大変な人はいる」など、他の人と比較する言葉は使わないようにしましょう。
グリーフケアでは、他人と不幸の比較はしないことが非常に重要です。

 

状況を詮索する

例えば、大切な方が亡くなった方に対して「どうして亡くなったの?」「どのように亡くなったの?」などと詮索するのはやめましょう。

他にも、失業や離婚などで大切な物を失った方に、「どうして?」「なんで?」など深く聞き出すのは、相手にとっては聞いてほしくない場合も多いため、やめた方がいいです。
また、相手からの印象も「失礼な人だ」と思われかねないので、どちらにとってもいいことがありません。

 

おわりに

今回、初めて記事を執筆するにあたり、改めてグリーフケアについて調べ直しました。

言葉や大まかな内容は知っていたつもりでしたが、調べてみるとサポートの内容などかなり奥が深く、驚きました!

また、慎重に使うべき言葉など、一見普通の声掛けに見えても、実際にそのような状況になった際には逆効果になることも興味深かったです。

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